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令和5年度いぐさ・畳表生産者研修会、意見交換会(宮崎県)

お知らせ

2024年7月24日

国産いぐさ・畳表のさらなる需要拡大を図ることを目的として、生産者の消費者ニーズにあったい製品づくり、畳店の国産畳の販売力強化のため、令和6年2月14日、15日に宮崎県において、研修会及び意見交換会を実施しました。

内 容:畳店との意見交換会
    宮﨑神宮での畳表張替研修
    (株)中西たたみ襖店の視察
参加者:いぐさ・畳表生産者等21名(事務局含む)
    宮崎県畳工業組合14名

〇意見交換会参加者の感想
・若い世代の新築住宅を中心に工業表を選ばれることが多い。
・消費者自体に「畳」についての知識が全くなく、工業表を本物の畳だと思っている人が多いと感じる。中年のお客さんでもそのようになっていると畳店からの意見があり驚いた。
・宮崎県は綿中心の流通と思っていたが麻綿が多い畳店もある。
・各畳店が機械での作業だが、それまでの調整はミリ単位の作業であり職人技だと感じた。
・宮﨑神宮の畳表替えに参加させていただき、貴重な体験ありがとうございました。
・意見交換会の中で、畳店の多くの方、畳表が厚いと言われていたので、生産者全員がもう少し重量を落としてもいいんじゃないかと思った。
・年々工業表が増えてきていると聞きますが、大手ハウスメーカーが新築を建てられる時に、国産表を使ってもらえるようにしていかないと国産表の需要は伸びないと思う。
・今回の研修では畳表を畳に製作するまでの工程を学ぶことができ、畳店の国産畳表に対する考えが理解できました。
・今回、佐土原町にある、あがりお畳店で作業などをさせてもらいました。主に本間綿の表が売れるそうで、本間麻綿など上物はそんなに売れないそうでした。しかし、生産者との交流などが増えて、今後はひのさくら・ひのさらさ並みの表を売れるように頑張っていこうとの事で、生産者も今以上に品質の向上に努めなければいけないと思いました。
・QRタグは1枚1枚入れる事はないんじゃないかとの意見がありました。しかし、中国産との差別化を図るには必要だと思いますが、タグを入れる場所やタグ自体を邪魔にならないように改良できないだろうかと思った。
・中西たたみ襖店の視察では、8割~9割は国産の畳表を扱ってるとのことで国産畳表を主に扱う畳店も増えてきているんだと思った。しかしまだ中国産や工業表を主に扱う畳店も多いと思うので、これからも熊本県産畳表のPRやイベントなどを行っていかなければいけないと思います。
・生産者のい草の生産工程などの大変さを分かってもらう事も大事だと思いました。
・毎日畳表を見ているのに畳表の良さをあらためて認識させられました。この良さを一人でも多くの方に伝えて行ければと思っています。
・中西たたみ襖店は、若いご夫婦の国産畳表愛がすごすぎて、特に奥さんのお話に感心させられ聞きいってしまい励まされて来ました。いつか八代で講演をお願い出来ればと思います。
・畳表張替の体験ができ、畳店の人とも色々話が出来てとても良い研修になりました。
・高価な紋縁も、時間があればきちんと合わさるが、サイズに少しのずれがあったので合わないということだった。
・畳屋しだいで「涼風」の評判の良し悪しはあるが、「涼風」の評判が良い所もあったので、「涼風」を作っている自分としては頑張りがいが出来た。
・休憩中に新築の話になって、ハウスメーカーの言いなりで、国産表を使う事はないとのことでした。将来の事を考えたら、新築も国産を使ってもらうよう努力してもらいたいと伝えた。
・畳店の機械作業の多さに驚いた。
・熊本県産畳表応援店は、国産表にシフトしているがもっともっと応援店が増えたらいいのにと思った。
・研修を受けた畳店は、5年前までは殆ど中国産でしたが、兄貴様が経営を受け継ぎ少しづつでは有りますが国産にシフトしているとの事でした。
・青々とした畳が敷き込まれて広間の風格が一段と素晴らしく見えたのも、「ひのみどり」の表を使用(ひのさくら級)したのが品格、出来映えのいい間に仕上がったと思う。
・工場見学時、畳表のイ筋の問題が有り、今後はこの件についても検討していく次第です。
・畳引上げは、ワラ床はなかなかの重さで1人では運び辛かった。
・畳製作は、ヘリの解体から糸とり、なかなか面倒でした。 
・畳表の重量が重すぎると、畳が張りにくい。
・研修先の畳店は、家族4人経営で年間約3000枚程の表替を行っているとのことでした。後継者のいる畳屋さんは元気がありました。
・イ草農家、産地問屋、畳屋さんとの流通にだいぶ誤解が生じている思います。やはり、私達生産者は、問屋さんにもっと高く買い取ってもらはないと、イ草農家の未来はないと強く思いました。
・今後もこのようなイ業研修をぜひ続けていただければ大変よい事だと思いました。
・中国産との競合が続いたが、近年は工業表が台頭しており、色のバリエーションなどから選ばれることが多いと感じた。色の理由で工業表が選ばれるのは仕方がないが、工業表=畳のイメージがつくのは困る。
・新築はほとんど工業表が入るとのことで、建築士等へのい草の魅力発信が必要との声があった。
・中西たたみ襖店のお客さんへの説明は丁寧で畳表のお手本になるものだった。ショールームもきれいで入りやすい工夫があった。
・表替えが出来上がり神宮に新しい表が敷かれやっぱり、い草の表が一番良いなと思いました。
・研修先の畳店は、兄弟で経営されており従業員を3名(知的障がい者)雇用されており、社会的にも貢献度が高い畳店だと思った。
・宮崎県は、全般に畳床が悪く、綿が主流、畳の重量も少し軽くてもという意見を聞き、重量の規格の見直しも考えなければいけないと思った。
・畳替えはほとんどが機械化されていたが、細かい調整がたくさんあり職人技だと感じた。
・中西たたみ襖店ではお客さんに工業表・中国産表、国産表の違いをきちんと説明しており、国産表が選ばれる比率が高かった。
・今村畳店さんは、4名で作業されており、流れ作業で無駄がないように感じられました。縁の縫い付けでは神社などで使われる紋縁は隣り合う畳とデザインが均等にならないと見栄えが悪くなるとの事だったので、細かくチェックされていた。
・2月は、畳替えの注文が少ないので倉庫には、3割程度しか保管されてなかったが、上級品・中級品・下級品の国産、中国産と分かりやすくされてあった。すぐ使う畳表は折りシワを伸ばす為に広げて重ねてあった。余分な作業と場所がいるが、その一手間に職人の意識を感じました。
・国産表・樹脂表・和紙表それぞれのメリット、デメリットをお客様にお伝えし、理解したうえで畳表を使って頂く。我々生産者が生き残るには選ばれる為に品質向上は必要不可欠だが、畳屋さんの営業努力にも助けられていると感じた。
・新調された畳が敷き詰められ、畳店に研修に行くのは初めてではないが全行程見る事は初めてで少し感動した。研修先で5センチ幅にカットされていた畳表で、畳の厚さを何度も確認しながら入れられていた。まさか縁と縁の高さ調整だったとは驚きでした。
・畳表の厚み(キロ数)について、最近は重量の入った表が多いが、藁床は古くなると、重量が入ってる畳表だと床が負けてしまうので2.5㎏以下にしてもらったと聞いて驚いた。良い畳表を消費者が使いたくても床との相性でランクを下げる事がある。価格は同じでいいので軽い畳表が欲しいとの要望があった。確かに厚い表は生産者にとってデメリットでしかない、生産枚数は落ちるし、仕上げもしにくい、織機が痛む、これから使って頂く畳屋の意見はしっかり聞いていこうと思う。
・QRコードについて、全部畳表に入れる必要があるのか?全てにQRコードが入っていれば国産の証明になるが抜かれている(入っていない)畳表があれば同じ国産なのかと疑われる。機械でクリーナーをかけるとQRコードの部分だけ染土が残ってしまう。QRコードを読み取っても、データ更新されていない生産者がいるなどQRコードのデメリットが多く聞かれた。
・近年の畳表の価格について、仕入れ価格は上がっているが畳表の入札価格はほとんど変わってないと聞いて畳店は驚かれていた。他の生産者はわからないが我が家は過去5年、価格は変わっていない。資材高騰で苦しいが何とか生産出来ている。い草農家の仕事量でこの反収なら生産者は減っていく。後継者がいないから辞める!ではなくこの利益ならやらせたくない!が本音だと思う。
・イ業界はもっと危機感を持って考えないと生産者はいなくなるかもしれない。

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