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 国産畳表の特性とお手入れ

お知らせ

2020年5月1日

健康的なお部屋の空間作りの為に

1.カビ対策は「3要素のうち1つでも排除」がポイント

 畳表は有機質の草を使用していますから条件が整えば、どうしてもカビが生えます。それは生鮮食料品を空気中に放置したままにしておくと、すぐにカビが生えてくる事と原理的に変わりありません。

 また畳表は水分を吸収しやすいので、室内が湿気過多になり、不健康な状態になるとカビが生えてきます。カビは3要素(栄養・湿度・温度)で発生します。この要素のうち1つでも排除出来ればカビの抑制につながります。特に1年目の青味のあるうちは、い草に栄養が多い状態ですので、梅雨の時期から気温の上がる夏にかけて、次の事を心がけると効果的です。

・エアコンで温度や湿度を下げる

・1日に1回は部屋の換気を心がける(空気が淀まないようにする)

・部屋の掃除を心がける(カビ菌の栄養となるものを排除)

・洗濯物の部屋干しは除湿機と併用するなど(湿度を下げる)


2.カビが生えてしまったら

・部屋の換気をして、カビている箇所を乾燥させます。エアコンのドライ運転は効果的です。

・畳の目に沿って掃除機で吸い取るか、乾いた雑巾でカビを拭き取ります。エタノールなどの消毒剤も効果的です。

・その後は「1.カビ対策は」を心がけください。


3.水をこぼした時

 い草は植物です。水などこぼしたらただちに拭き取ってください。特に新しい畳表は部分的な変色の原因になります。


4.折り目について

 新しい畳表には、時に折り目が目に付くことがあります。地厚な良質品ほど出がちです。この折り目は使っている間に自然に消えます。


5.退色と品質の関係

 敷き込んだ当初はい草の葉緑素で青味がありますが、半年から1年もすると飴色に変わります。「青味がなくなる事(葉緑素が分解する事)=品質の劣化」と思われがちですが、退色と畳表の品質はほとんど関係がなく、実入りの良い新芽中心のい草で織った製品は葉緑素が分解しても、草の繊維は長く良い状態で保たれます。

 例えば木造建築でも新築の時の木材の色と、年数が経過した時の色は違いますが、品質が落ちる訳ではない事と原理は同じです。良い素材を選び、お手入れをすることで長く良い状態を保てます。

 工業製品などは時間の経過と共に品質が劣化してきますが、天然い草は使うほどにツヤがでて飴色に変わっていき、この変化を楽しむ事ができます。ただ品質に応じて一定期間を過ぎますと品質の劣化が始まり、皮剥けなどが取替の目安です。お手入れをして快適な空間をお楽しみください。

年数が経過しても艶のある熊本産最高級品
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木造で1300年以上経過する法隆寺
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