令和5年度いぐさ・畳表生産者研修会、意見交換会(京都府)
お知らせ
2024年7月24日
国産いぐさ・畳表のさらなる需要拡大を図ることを目的として、生産者の消費者ニーズにあったい製品づくり、畳店の国産畳の販売力強化のため、令和5年9月27日~29日に京都府において、研修会及び意見交換会を実施しました。
内 容:畳店との意見交換会
文化財畳保存会、関西畳工業株式会社での研修
京都迎賓館の視察
参加者:いぐさ・畳表生産者等6名(事務局含む)
京都畳商工協同組合等13名
〇意見交換会の感想
・日本文化の中心地である京都であっても、国産畳表が人気というわけではなく、中国産畳表やダイキン・セキスイの工業表も一定の需要があると言われました。消費者(エンドユーザー)が選ぶことなので、予算が一番影響するそうです。
・私達生産者側からすれば、畳表の宣伝は良くも悪くも畳屋さんにかかっているので、積極的に国産熊本表の良さを伝えて欲しいとお願いしました。
・畳表の発送方法、ラベルの裏書き、QRコード付タグの枚数等、意見がありました。
・年間を通し価格は安定しているので畳表の値上げはOKですとの事でした。
・国産の上級クラスを積極的に使うように頑張っていると思う畳店が多かった。
・あなたの畳表を幾度となく使ったことがあるとか、近いうちに、また使う予定ですと言われ、自分の畳表を使ってくれてる畳店と直接話が出来た事に誇りと自信を持てた。
・出来るだけ国産の上級クラスを使いたいが、予算の関係でどうしても中国産を使わざるを得ないと言った声も多かった様に思えた。
・畳店さんから様々な意見をいただきました。日頃、家で仕事をしているだけでは気付くことができない貴重な意見ばかりでとても勉強になりました。
〇研修(文化財畳保存会)の感想
・磯垣司会長から、畳の歴史や保存会の活動報告がありました。畳の歴史などは初めて聞くような話ばかりで、通常の学校では習うことではないので勉強になりました。
〇研修(関西畳工業株式会社)の感想
・畳職人の年齢が若い事に驚きました。ただ、中国産・工業表のウエイトが高かったので、今後は国産熊本表も積極的に活用して頂ければと要望してきました。
・仕事の半分がUR都市機構などの賃貸で、JAS2の規格なのでほとんどが中国産となっていました。
・社員20人体制での流れ作業に圧倒された。
・久しぶりに中国産の畳表を見たが、正直、こんな畳表で日本の畳文化を未来へ繋げることが出来るはずがないと思い、国産畳表の産地熊本の重要性を改めて感じた。
・今回の研修先の畳店は、大きな畳店で、規模感にとても驚きました。国産の畳表自体はあまり多く加工されていませんでしたが、その分多くの仕事量をこなしている様でこういった方法もあるんだと感心しました。
〇視察(京都迎賓館)の感想
・建物や内装には感動しました。日本の歴史建築の最高傑作を見れ、その中に畳の間があったので安心しました。備後表じゃなく、熊本の「ひのさらさ」だったら最高でした。
・純和風作りだそうで、畳敷の大広間を見る事が出来た。使われていた畳表は中継ぎ表だった。国のシンボルで、和のシンボル的建物にこんな畳表を使ってては【畳は日本の宝、世界に誇る日本の畳】とは呼べないと思った。
〇その他
・三日間の研修を終えて、改めて畳表・畳文化の良さを実感し、後世に残さなければと思いまいました。たいへん有意義な研修となりました。
・今回の研修は、畳店さんから指名される生産者になりたいと思いました。
・(株)カンベ社員との話しの中で、ダイケンの和紙表の方が国産天然の表よりも3倍の耐久性があると言われたのに戸惑いと疑問が沸き立った。産地問屋組合でも耐久試験をしていて、天然国産表が、耐久性が高いと聞いていた。
・工業表について、便利さや使いやすさなど国産表とは違うベクトルの良さというものでした。
・国産表も工業表もどちらも必要だからこそ、うまく共存できれば良いと思いました。
・今回の京都研修で、自分の勉強不足もですが、それ以外にも畳店や問屋も一緒に活動を進めないと業界が廃れる一方だと感じました。それと同時に個々での行動も必要だと思いました。